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お知らせ

2026消費者志向経営セミナー「消費者志向経営の次の10年に向けて~デジタル時代における消費者の脆弱性への対応~」を開催しました

※本セミナーは終了しました。多数のご参加ありがとうございました。

開催趣旨

 本セミナーでは、デジタル時代における消費者の脆弱性を踏まえ、これからの消費者志向経営の方向性や、企業と消費者の協働のあり方について、講演およびパネルディスカッションを通じて消費者志向経営の次の10年を展望する機会として開催いたしました。
 昨年度までの会場参加のみの形式から、今年度は会場参加・オンライン参加のいずれも可能なハイブリッド開催へと拡充した結果、2025年度の参加者54名を大きく上回る131名の皆さまにご参加いただきました
 アンケートにおいても、多くの好意的なご意見が寄せられ、高い評価をいただくことができました。本当にありがとうございました。

【アンケートより抜粋】

  • 「講演それぞれがタイムリーなテーマであり、大変参考になった」
  • 「消費者志向経営を考える機会として非常に有意義だった」
  • 「情報に関する最新動向だけでなく、学識経験者から企業側の取り組みまで、全く違う業種のお話が聞けて非常によかった」
  • 消費者との双方向のコミュニケーションの重要性を再認識できた。
  • 情報過多時代の企業努力についての理解が進んだ。

日時

7月10日(金)14:00~16:10(開場13:30)

会場

主婦会館プラザエフ 4階「シャトレ」(東京都千代田区六番町15番地)

開催方法

会場及びZoom によるハイブリッド開催

参加者

会場52名、オンライン参加者79名 計:131名

セミナー開催報告

 2026年7月10日(金)、主婦会館プラザエフ 4階シャトレにて「消費者志向経営の次の10年に向けて ~デジタル時代における消費者の脆弱性への対応~」をテーマに消費者庁後援による「2026消費者志向経営セミナー」が開催されました。
 開会にあたり、消費者庁消費者制度課 課長の古川様(現:地方協力課 課長)からご挨拶を頂戴しました。「消費者志向経営」の重要性や消費者契約法の見直し、消費者団体訴訟制度の取組を紹介するとともに、デジタル化に伴う消費者課題への対応に向け、消費者・事業者・行政が連携して健全な市場づくりを進めることの重要性を述べられました。
 その後、慶應義塾大学大学院法務研究科教授 山本 龍彦氏、パナソニック株式会社 CSセンター センター長 藤原 正規氏、グーグル合同会社 YouTube政府渉外・公共政策部ジャパン ヘッド 野田 由比子氏の3名の講師を招いて、有識者、事業者、デジタルプラットフォーマー各々の視点からご講演頂きました。休憩を挟み、第2部ではパネルディスカッションを行いました。ご講演いただいた慶応大大学院 教授の山本氏、パナソニック㈱の藤原氏、グーグル(同)の野田氏をパネリストにお迎えし、コーディネーターは、消費者 スマイル基金 理事の坂倉 忠夫が務めました。

講演① 慶應義塾大学大学院法務研究科教授 山本 龍彦氏
 「デジタル時代の消費者の脆弱性と情報的健康について」

 基調講演では、山本龍彦氏がデジタル社会における消費者の脆弱性を指摘し、デジタル社会で人々の注意が経済価値となる「アテンション・エコノミー」が拡大し、アルゴリズムや生成AIが注意や意思決定に影響を及ぼす危険性を述べました。嗜好に応じた情報提供が進む一方で、フィルターバブルや偽情報、心理的弱点を突く手法の問題を挙げ、ケンブリッジ・アナリティカ問題を例に国際的な懸念の高まりを紹介しました。また、ショート動画や無限スクロールなど注意を奪う設計が広がる中、個人のリテラシーだけでなく、サービス設計や制度面から「情報的健康」を支え、信頼できる情報環境を整える重要性を強調しました。欧州で進む過度な誘導規制や認知的自律性保護の議論にも触れ、信頼できる情報へのアクセスと主体的判断を支える「情報的健康」の重要性を訴えました。

講演② パナソニック株式会社 CSセンター センター長 藤原 正規氏
「“つながり続ける”企業へ‐パナソニックの消費者志向経営と新しい顧客コミュニケーション‐」

 藤原正規氏は、パナソニック㈱が創業以来掲げる「お客様大事」の理念のもと、購入後まで続く長期的な顧客関係を重視していると説明しました。また、デジタル化による情報格差に配慮し、分かりやすい情報提供の重要性を強調しました。購入前・購入時・購入後の各接点を価値創出の機会と捉え、特に購入後は自己解決支援、使用状況の可視化、修理時の納得性向上に重点的に取り組んでいることを紹介しました。FAQやチャットボットによるサポートに加え、IoT対応製品とスマートフォンアプリを連携させることで機器の状態確認や故障予兆の通知を行い、消費者の安心と利便性を高め、修理内容の可視化やリファービッシュ製品の活用で顧客満足度の向上とサーキュラーエコノミーの推進にも取り組んでいることを紹介しました。デジタル時代だからこそ消費者の脆弱性に配慮し、購入後も継続してつながる顧客体験の創出が重要であると強調しました。

講演③ グーグル合同会社 YouTube政府渉外・公共政策部ジャパン ヘッド 野田 由比子氏
「YouTubeの取組:誰もが安心してデジタル空間を利用できる環境づくりを目指して」

 野田由比子氏は、YouTubeが多様な人々の表現や情報発信を支えるプラットフォームである一方、利用者保護との両立が重要だと述べました。安全・安心な利用環境づくりとして、①ポリシー違反コンテンツの検出・削除、②利用者を守る機能・ツール提供、③情報リテラシー向上を推進している進めていることを紹介しました。特にコミュニティガイドラインに基づき、AIと人による審査で不適切な内容の拡散防止に取り組み、動画だけでなくコメントやサムネイルにもルールを適用していると紹介しました。さらに、生成AIコンテンツへのラベル表示や管理機能の提供、総務省との啓発活動を通じ、利用者が主体的に情報を見極められる環境整備を進めていると述べました。健全なデジタル空間にはプラットフォーム事業者だけでなく、行政・有識者・クリエイター・利用者の連携が不可欠であり、今後も「開かれた情報空間」と「利用者保護」の両立を目指すと締めくくりました。

<パネルディスカッション>
【全体テーマ】 消費者の脆弱性を踏まえた消費者志向経営に向けて
コーディネーター:消費者スマイル基金 理事 坂倉 忠夫
パネリスト   :慶應義塾大学大学院 教授 山本 龍彦氏
         パナソニック(株) 藤原 正規氏
         グーグル(同) 野田 由比子氏

〇第1テーマ:消費者の脆弱性を踏まえた企業と消費者とのコミュニケーションのあり方
 第1テーマでは、情報過多や生成AIの普及など、デジタル社会における消費者を取り巻く環境変化を踏まえ、企業と消費者の望ましいコミュニケーションのあり方について議論が行われました。消費者が適切に情報を判断できる環境づくりや、安全・安心な利用環境の整備、消費者との継続的な対話の重要性などが共有され、デジタル時代における新たなコミュニケーションの方向性について理解を深めました。

〇第2テーマ:企業と消費者の協働のあり方
 第2テーマでは、安全・安心で持続可能な社会の実現に向けた企業と消費者の協働について議論が行われました。企業と消費者がともに価値を創造する視点や、信頼できる情報環境の構築、多様な主体の連携の重要性などが共有されました。質疑応答も交えながら、デジタル時代における消費者志向経営の今後の展望について理解を深める機会となりました。

<閉会挨拶>
 セミナーの締めくくりとして、消費者スマイル基金理事長の河野康子より、登壇者および参加者への感謝が述べられました。河野理事長は、消費者を取り巻く環境がデジタル化やAIの進展により大きく変化する中、情報格差や消費者の脆弱性への対応が重要な課題となっていると指摘しました。
 また、本セミナーで議論された「情報的健康」の視点は、行政、事業者、消費者が連携して取り組むべき重要なテーマであると述べるとともに、企業による消費者志向経営の取組への期待を表明しました。最後に、消費者自身も知識と知恵を深めながらデジタル社会と向き合うことの重要性に触れ、本セミナーがその一助となることを願い、閉会の挨拶としました。

プログラム

※後援:消費者庁

時間
14:00~14:05 開会(挨拶)
開会挨拶:消費者スマイル基金 理事・事務局長 磯辺 浩一
来賓挨拶:消費者庁 消費者制度課長 古川 剛氏
※古川様は、セミナー開催時は消費者庁 消費者制度課 課長でいらっしゃいましたが、現在は地方協力課 課長に着任されています。
14:05~14:35 講演①(30分)
講演:「デジタル時代の消費者の脆弱性と情報的健康について」
   慶應義塾大学大学院法務研究科 教授 山本 龍彦氏
14:35~14:55 講演②(30分)
講演:「“つながり続ける”企業へ
   ‐パナソニックの消費者志向経営と新しい顧客コミュニケーション‐」
   パナソニック株式会社 CSセンター センター長 藤原 正規氏
14:55~15:15 講演③(20分)
講演:「YouTube の取り組み:誰もが安心してデジタル空間を利用できる
   環境づくりを目指して」
   グーグル合同会社 YouTube政府渉外・公共政策部ジャパン ヘッド 
   野田 由比子氏
15:15~15:25 休憩
15:25~16:05 パネルディスカッション
【テーマ】 消費者の脆弱性を踏まえた消費者志向経営に向けて
コーディネーター:消費者スマイル基金 理事 坂倉 忠夫
パネリスト   :慶應義塾大学大学院 教授 山本 龍彦氏
         パナソニック(株) 藤原 正規氏
         グーグル(同) 野田 由比子氏
16:05~16:10 閉会(挨拶)
閉会挨拶:消費者スマイル基金 理事長 河野康子
16:10~16:40 名刺交換会